2020年10月24日土曜日
24、魔法少女育成計画restart
2020年10月23日金曜日
23、リング
こんちは人都です。
リング (角川ホラー文庫) 鈴木 光司 https://www.amazon.co.jp/dp/4041880017/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_Q5QKFbA6GYHV32020年10月22日木曜日
22、マーメードスキンブーツ
こんちは人都です。
今日も図書館の廃棄救済枠の本を読みました。
Mermaid Skin Boots 桜井 亜美 https://www.amazon.co.jp/dp/434401068X/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_qtAKFbZBSQ67E
なにかそういうタイプのモデルさんの写真集にも見える独特な俗っぽさ、とけだるげな視線。
タイトルのよく考えれば意味の分からない「マーメードスキンブーツ」という言葉は何を指示しているのか。
それは2005年にフリードリッヒ・フォン・ワルターの提唱したDNAの可能性を論じた意見からの引用でした。
この物語の主人公は美大で彫刻を専攻する20歳を目前にした破滅的性分を持つ女性、綾瀬ナジュです。
彼女は元来漫画絵やイラストを好んでいましたが、爛れた壊れかけの家庭はそれを許さず結局離縁するような形で夢を優先させることでナジュの現状は成立していました。
その現状とは大学をふまじめに修めつつ、退廃的に搾取されるためのセックスフレンドを五人も侍らしてはダーツで当たったものを気晴らしのために呼び出すという、到底清いとは言い難いどろりとした美学以外には何もない乱雑な「エロいおもちゃ」を演じる生活です。
そんな生活の中では、彼女は自身のことを高い頻度で人魚姫に、一人暮らしの部屋を最高の理想の世界観を実現する城として改装し、見立てるようにして評価を下します。
何故そんな半ばうぬぼれたことがいえるのか。
それは奇妙な偶然か呪いによってか、彼女の家系の女が20歳でどんな状況であれ命を落とすという不可思議なジンクスにまとわれていたからでした。
実際に彼女はそのせいで身内も、最も大切な姉も失ってしまった過去があるのです。
そしてそんな家庭の中、父親はナジュを不潔でだらしがないと終わらない批判をぶつけるだけの存在となり果てていました。
彼女は結果的に家を出ることで志望進路へと歩みを勧めたものの、その先にあったのは「自分には才能がある」という自惚れのみでは戦うことの出来ない世界です。
ぐちゃぐちゃな思想の学生たちと、ある程度の距離感と共に囲まれながらナジュの劣等感と寂しさ、そして悲しさは加速していき、その度にダーツで決めた歪んだ関係性のセックスフレンドを自らの体調に構わず「城」に呼び出す毎日。
数少ない正常な日常は美大アトリエでの敗北を感じながらの製作と、アルバイト先での交わらないセフレ抱え仲間である演劇派クズ男とのどうしようもない雑談。
彼女は対外的評価とは全く異なり、巨大な自己否定と孤独に殺されそうになる心細い生活を送る自分を大切に扱おうとも思えない、そして誰の唯一にもなることの出来ない人物でした。
しかしある日、彼女がアルバイトにより取り損ねた単位の補填課題をこなすため海外へと向かった時、飛行機で隣り合っただけの男・霧帆と偶然に会話を交わし今まで感じたことのない夢のような恋愛感情を持ってしまいます。
そしてそれまで彼女の周囲にいた男性は、自分の誰かの互換品として扱うような者ばかりであったことに納得しながらも静かな恐怖を抱きます。
了承の上とはいえ彼らのほとんどには既に彼女がおり、少なくとも誰一人として彼女を一心に見据える者は存在していなかったのですから。
自らを人魚に見立て一般人を別世界の人であると扱いながら、彼女は予測される寿命を恐れ陸地へのあこがれ、一般的な普通の恋愛へのあこがれを抱いてしまいます。
もし自分かもうすぐ死んでしまうとして美術作品もぱっとせず、自分を強く求める者もいない中で私はこの世に何も遺せずにいなくなっちゃうの?
家系に伝わるジンクスが真実であるならば、ナジュにとっての人生はあと一年の猶予しか残されていません。
私に今から人生の在り方を変えることなんてできるんだろうか。
最早入学当初ほどの夢も情熱も無くして、まだやり直せるのだろうか。
落ちこぼれの大人になりきれない美大生は悩み、もがきます。
果たして彼女に未来は訪れるのでしょうか。
彼女は陸に上がり、人間になることは叶うのでしょうか。
なんというか、本当に一人のこじらせた女子大生の世界ですべてが完結する小説です。
二十歳で全てが終わってしまうだなんてジンクスは、別に作中では細かい描写を伴わないために単にナジュのある種の強迫観念か妄想ではないかと思わせるほどぼんやりとしています。
それでも若干の異常は感じられるほどに彼女の一家の女は二十で倒れてしまっているのですが。
ライチ☆光クラブが聞いたら卒倒しそうなことばかりだなって思いました。
一番美しいまま終われるなら私もその方がいいんだけど。
あと美大がテーマであるために、日常のパートとしてアトリエのシーンが多く登場しますがその中の「壊れ方が足りない」から君には作品への成果が表れない、という表現は若干でも美術をかじるものとしてはわだかまりのようなものを感じました。
作者が述べたかった表現としては、感情の爆発やあか抜けた感触を指示していたのかもしれませんがこの性と愛を強く語る小説において美術の学習として壊れることを勧めるのは、ちょっとどうなんだろうなと思いました。
いや……こういう意見が「恋愛小説にマジレス乙」の可能性は非常に強いですけれどね。
感情論や愛でどうにかなる美術はあまり私の好むものではないし、せめて真摯に技術を磨くシーンぐらい挟んでくれればよかったのにと思ってしまいます。
ただ作品内に登場する具体的なブランド名やアーティストから、作者の美意識の高さはうかがえるなと感じました。
読んでるうちはまあ楽しいけれど、結末が無理やりにも感じられる良くも悪くもふわっとしたスナックな小説です。
私には腑に落ちないけれど、主人公が幸せならまあそれでもいいですけどね…。
これはそんな小説でした。
人都でした。
2020年10月21日水曜日
21、レヴォリューションNo.3
こんちは人都です。
レヴォリューションNo.3 金城 一紀 https://www.amazon.co.jp/dp/406210783X/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_V8eKFbSBKETPK今日の本は昨日言っていた、図書館のリサイクル本要するに廃棄救済の無料配布コーナーでいただいてきた内の一冊です。
最近というのも主語の大きさで怒られてしまいそうですが、私は基本的に時勢の流れに逆らうような中身の内容をほとんど理解できないようなシンプルなタイトルをつけている作品が好きです。
表紙の目力と引力、表紙買いに近しい選び方をした一冊ですね。
この本はある青春少年の一団を取り上げた、2001年出版のカジュアルな小説で表題作の「レヴォリューションNo.3」、それから少し後の物語「ラン、ボーイズ、ラン」、そして最終章である「異教徒たちの踊り」の三編で構成されています。
90年代の最終期の質感を湛えた、暴力と初々しいスケベ心や大人への反抗を糧に行動する最高にばかばかしくも羨ましい少年らの青春小説です。
主人公である語り部の「僕」は、新宿区の落ちこぼれた不良ばかりがたむろする男子校に通学する家庭崩壊経験者であり、独特で一方的な失恋も経験した周囲よりは若干賢い高校生です。
それでも彼の通う周辺の学校はといえば偏差値が高い学校であったり、お嬢様の集まることで有名な女子高があったりと推測に難くない明確な要因から、彼らの学び舎は周囲の学生から眉を寄せるような存在として悪名高く認知されていました。
その認知は実際間違ってはいません、言ってしまえばそこは絵にかいたようなFランのバカ高校でした。
ガラの非常に悪い生徒や生傷やセンシティブな問題を抱えた学生が最後に落ちるような高校であることは実際に事実でありましたし、若気の至りともいえる後先を顧みない問題行為についても学校全体でしょっちゅう耳にするような土地柄がそこには存在していました。
大学の進学率もあり得ないほど低いような、とても学び舎とは言いにくい治安半壊の高校です。
そんなある日、「僕」が受講していた生物の教師が急に脈絡もなくこんなことを言い出したのです。
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」
その瞬間にほとんど崩壊していたクラスの視線と意思は、その発言の意図に惹きつけられました。
大人らしくないことを話す生物教師「ドクター・モロー」は続けます。
君たちは生まれつき勉強が苦手なようにできていてここにいるのかもしれない。
このクラスの親にどこかの名門の大学を出た者はいるか?いないようだね。
つまりはそういうことだ、勉強が苦手な親から遺伝して君たちは生まれたんだ。
ただ、この状況を打破することが出来る一つの行動がある。
それは「勉強が得意な女の遺伝子を獲得すること」だ。
要するに秀才の女を恋に落とし、あわよくば番となり子を産ませればそこから何らかの道は開かれるかもしれない!
おおよそ教師が語るべきではない内容に、年頃の愛と性に飢えた不良たちは沸き上がります。
彼らが恋を為すためには当然女子高生にアプローチを仕掛けるべきです。
しかしながら周辺の名門女子高はリスク回避のため防御が非常に固く、一人で特攻を仕掛けたところで追い返されるのが当然といったところでしょう。
ですから、彼らは徒党「ザ・ゾンビーズ」を結成し三年もの歳月をかけて、この女子高にカチコんで賢い女の子とお近づきになるために拙くも懸命な努力を行うことを決心しました。
バカだと思うでしょう?ですけれど、青年らは誠にまっとうに荒唐無稽な信念を貫こうと奮闘することを止めようとはしないのです。
標的は学園祭、騒ぎを起こしてでも暴力で語ろうともとにかく彼ら「ザ・ゾンビーズ」の信念はばかばかしくも不純で純粋です。
いや、もしかしたら本当はカレカノなんかよりもこの困難と大人に向かって徒党を組んで反逆する生臭くて汚い感触が、一番青年の拠り所だったのかもしれない。
「ギョウザ大好き!」と叫びながら集団で女子高の門に突入しナンパに命を懸ける様相は、最高にアホらしく一周回って読者の心をもなぜかつかみます。
バカで何も考えられないような青年たちに淡々と迫る危害や確証の取れない揺らぎ、欠けて戻らない者と本当に実在した全くかっこよくない死の質感と人種の差別、そして卒業後の未来……。
それでも彼らは走ります、悩み考えながらもまずそのこぶしを振り上げ前へと進みます。
金にスケベにそれっぽい知識に暴力に犯罪に、そして夢に。
もうね、これまた非常に治安が悪い小説です。
だけれどこの小説は何故だかそのひとつひとつは実にさらりとしていてグロテスクな胃もたれは引き起こさないんです。
よく調べたらこれは直木賞作家の作品らしいですね。
そしてこの本にはいくつかの続刊が出ているそうで。
しばらくいわゆる「著者読み」のようなことをしていないせいで、私はあまり作家の名前には詳しくない口です。
できれば青春の頃に出会いたかった本ですね、弟に読んでほしいかと言うと迷ってしまいますけれど。
うっかり真面目に十代を済ませた者にとって、若気の至りという奴にはとてもあこがれを抱いている節があるのです。
もちろんこんな危ない人たちが現実にいたとしたら当然かかわりたくもありませんが、創作物の良いところはそういう架空の理想を追体験できることだと思っています。
こんなにばかばかしくて信念も訳が分からないのに、確かに読者を惹きつけてその上で生きることを考えさせられる。
これはそんな小説でした。
とてもおすすめです!
人都でした。
2020年10月20日火曜日
20、氷の華
こんちは人都です。
氷の華 (幻冬舎文庫) 天野 節子 https://www.amazon.co.jp/dp/4344411552/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_uwWJFb9TJA7YMやっとね!久々に新規小説を読めました、タスクがバカ!
ちょっと前にも話していた気はしますが久しぶりに正統派な、というか警察がちゃんと仕事をする小説が読みたくなりちゃんとあらすじを確認したうえでこの本を手に取りました。
正統派長編ミステリーは健康に良い。
必要以上に性的が出てこないのが良いですね、嫌いという程ではないのですが個人的には女性の艶めかしさとミステリは違う頭を使っている気分になってしまうので。
しかし本当にこれはいいミステリーです、序盤の意味不明を全てパズルのように回収する。
確かに正統派すぎて内容が突出はしないんだけど、最近は突出したものばかり読んでいたもので、謎解きに暴力が絡まないの偉いな……。
斬新なトリックよりも散りばめられた物証を追い続ける刑事がこれまたいい。
主人公を取り巻く環境や小道具が何となく優雅なのも、事件とのコントラストでより良い。
本当に古き良きサスペンスドラマ。
ちなみになぜか手に取るミステリーの多くは実写化されているのですが、これも存じ上げておりません。
この作品の主人公は裕福な一軒家にて子供を持たず、家事も家政婦に委託し適度に夫を愛しなが自らの美貌にも気を遣うゆったりとした上流階級的専業主婦の恭子です。
子供を持たず、といっても彼女は決して自らが望みそのような家庭に至ったわけではなく先天的な不妊体質、そしてそれらを乗り越えるための治療に長年失敗してきたという経緯がありました。
そのような挫折を抱えながらも、彼女は非常に自信家かつ自分を肯定的に捉える傾向が非常に強い…セレブマダムなりのプライドを抱えていたものですから、これが自らの選んだ先進的なライフスタイルであるというように主張するようになり、それどころか「一般家庭」については若干見下すような視線を送りながら淡々とした生活を送っていました。
しかしながら、裏返してしまえばそれは恭子にとって一番のコンプレックスであり恥であり、弱点でもありました。
どれだけの費用をかけても子供を作ることが出来ない、養子すら組めず恐らく今後一切母としてふるまう日は来ないのだろう、そして家事らしい家事はほとんどを家政婦に委託しているために確かに生活は悠々自適だが、それは世間一般の妻の役割を果たせているといっていいのだろうか。
そんなわだかまりもあり、恭子は仕事を持ち自立していたり子供の話ばかりをする輝くような女性のことをあまり好んではいませんでした。
そんな痛々しいな傷口は、突然の受話器が殴りつけられます。
私はあなたの夫の不倫相手だ。夫は私の子を妊娠している。ビール用のコップを用意することしかできないあなたよりもずっと妻らしいでしょ?あなたと私は他人だけど、私とあなたの夫は他人じゃない。だから海外赴任から帰った夫はあなたに離婚を切り出す予定。いい気味ね。
聴いたことのないけだるく生意気な女の声は、大体そんなような内容を電話越しに恭子に伝えたのです。
そのことを証明するように嘲笑する女が伝えた場には、確かに夫のサインの入った母子手帳が存在していました。
恭子は慟哭します、どんなに治療を重ねても子供を産めないという、ごくわずかな人間しか知りえないコンプレックスで精神を切り裂かれ、電話先の彼女は持っていないものを全て満たしたうえで、夫まで連れ去るようなことを予告してくるのですから。
そして彼女は不倫相手をほとんど衝動のままに殺害します。
使用したのは庭の整備に活用するための農薬で、衝動かつ理性的に彼女なりの完全犯罪を夫が帰宅する前に、アリバイと共にすべてを時刻通りの恐ろしいスピードで仕立て上げました。
そして事件は認知され、犯人は不明であるとの情報と共に報道も行われるようになったある時、恭子は気づきます。
いくら経っても、不倫先の女が妊娠していたなんて情報は流れてこないのです。
そういえば、なぜかあの電話先の女はご丁寧に母子手帳を入れた封筒に住所まで書き込んでいたが、そんなことを普通するだろうか。
もしや、自分が騙されていて全く関係のない女を手にかけてしまったのだとしたら?
そう考えを巡らせた彼女は段々と身に迫る警察を撒きながら、真の電話口の人物を知る手立てはないかと行動を始めます。
あらすじが長くなってしまいましたが、本当にこのミステリーの正統派感はがっしりとしていて素晴らしいです。
ミステリーの内容をこれ以上語りすぎるのはまずいのでこのあたりで終わります。
人都でした。
2020年10月19日月曜日
19、毎日こむぎねんど
こんちは人都です。
毎日こむぎねんど しばたたかひろ https://www.amazon.co.jp/dp/4837310672/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_vPAJFbP1AA23Y2020年10月18日日曜日
18、大魔法峠
こんちは人都です。
大魔法峠 (角川コミックス・エース) 大和田 秀樹 https://www.amazon.co.jp/dp/B0093G9EVS/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_vVfJFbXAXNZ5P
表紙がいいよね!違う商品陳列罪で怒られなさいよ。
何事にも源流というやつは存在しますが、それについてを中途半端な知識で言ってしまえば更なる知識人に首ごと叩き落とされるというのはジャパニーズインターネットカルチャーのあるあるだと私は経験より思っています。
ですから、まあこれが暴力系マジカルの源流かといっていいかは私にも断言できかねます。
ただし、自分の背後で国会議事堂を燃やして舞い踊るマジカルガールの初代はきっと彼女でしょう。
破壊的な魔法少女はもうまじでたくさん出回っていますが(マジカルファシズムも認知してるよ、美少女魔法少女恐竜天使戦士も分かるよ)、破壊的「魔女っ子」の中では間違いなくトップクラスです。
あとたまに意地悪な人が魔法少女詳しいの?じゃあこれは?みたいな感じで大魔法峠とかドクロちゃんを提示してくるんですよね、履修も単位も取ってるわよ。
この物語の主人公は、赤い目玉のリボンがかわいい異界支配者候補の田中ぷにえちゃんです。
彼女は一年間女王試験として天空から人間界に降りて試練を受けることとなり日本の学校に入学するのですが、その先で多くの一般人の注目を一瞬で集め一躍アイドル転校生として学園での立ち位置を確立します。
しかしながらそんな彼女のスタイルに良い印象を抱かないアウトローな女子生徒も確かに存在していました。
ただし、その不良生徒の彼女への印象はある意味では正しい危機意識の持ち方であったという事が出来るでしょう。
なぜなら彼女のキュートフェイスの裏側には、叩きこみの帝王学と人を使うものとして扱うための真っ黒な戦略、ついでに完全に自分以外のほとんどを蔑むようなド尖りな思想が蠢いているのですから!
ですからそんなぷにえちゃん、一般人のただの女に暴力を振るわれそうになったところで舞って歌って呪文を唱えればたちまちどんな(身辺)事件も解決。
リリカル・トカレフ・キルゼムオール!
だからぷにえちゃんを本当に怒らせたりなんかしたらいけません。
魔法で事が済むならいいのですが、彼女の一番恐ろしい魅力はそのキャワな肉体に秘められているのですから。
自らの身がかわいいなら肉体言語を彼女に絶対に使わせてはいけません。
絶対に!
読むギャグ全部キャラクターの損壊がリセットされる奴ばっかりだなお前。
あれなんですよ、女の子がかわいいのと同じくらい暴力の描き方が上手い、あと言葉回しも面白くて声に出して読みたくなる、くそっぷにえがかわいいのが悪い、ぷにえが悪いんだよ。
関節技なのにコマが映えるんですよ、メチャクチャ痛い、ほぼプロレス。
あくまで暴力魔法少女ではなくて、暴力魔女っ子なんですよ。
魔法の世界から不思議な女の子が試練のために降りてくるとか、こんな内容ながらちゃんと呪文詠唱をしたりなぜか謎の歌詞が混入して急に歌うよ状態になったり。
全部強い女(物理)、涙も刃、笑顔も毒物。
ムダズモの作者さんの作品なのはだいぶ後になって知りましたね。
確かにやけに戦争とか武装ネタが出てくるんですよね、ぷにえちゃんが強すぎて作品内パワーが壊れているのもありますけど……。
私は鉄オタで芋な鉄子ちゃんがかわいくて好きです、強力な女の隣に非力な女がいる構図はいくらあってもいい。
可愛さのギャップのダークバイオレンス権力ギャグがすごくスパイシー、愛と希望と自分のかわいさを完全に理解して武器として活用する悪少女。
魔法少女最終フォーム抜き最強トークをするときは、いつもこの女が負けるプランが見えません。
ああ時間が足りないので終わります。
おすすめです。
人都でした。
2020年10月17日土曜日
17、ポリタン
こんちは人都です。
今日も漫画の話をします。
でも明日からまた新しく小説を掘っていけそうな予定なので、ここで漫画紹介は恐らくひと段落です。
ポリタン (ジェッツコミックス) とり みき https://www.amazon.co.jp/dp/4592130723/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_mAWIFbJM0NKY7
なんだこの漫画!?それがポリタンです。
あらすじはたぶん刑事ドラマのパロディを主軸とした捜査員の男たちと新人の女が織りなすド不条理ギャグ漫画です。
それ以外分からない……なんならポピーザぱフォーマーの方が理解ができる……。
なんでこの本を持っているかといえば、神保町で200円で売り叩かれていたからですね。
がっしりとした劇画調かと思えばマカロニほうれん荘とかがきデカ系のふにゃっとしたディフォルメになり、しかし油断すると特に何の意味もなく流血沙汰のシーンが挟まれて読者が置いてけぼりになります。
ただやけに挟まる銃のシーンはすごいこだわられている気がしましたね。
あれです、アニメポプテピピックをそのまま漫画にしたかのようにオマージュと怒られそうなニッチなパロディの種を死にギャグ爆発オチにじゃんじゃこ混ぜ込んでいる中辛うじて共通のキャラクターと警察という舞台で首の皮一枚を繋いでいるような奇書。
3コマに1コマはツッコミの無いボケの挟まる何らかの地獄でテンポが良すぎてペースを持っていかれる感触。
どメタに「一定のコマ毎に面白いギャグを続けないと警察署が爆発する」って展開、何?
私は元から不条理ギャグとか一昔前のくだらない(褒め)漫画を好んで読むので、まあ耐性はあるのですがそれでもギリギリ振り落とされずに済んだような状態です。
出オチボケのオーバードーズ、ナイアガラ、人によっては多分耐えられないやつ。
「ポポポポポポ ポリタン
ポリタン
ポリタン
ポポポポ ポリタン ポポ ポリタン
ジャン♬」(原文ママ)
いやポリタンって何。
そしてこんな内容なのに、荒唐無稽なのに最終回が終わったサーカスの虚しさを理性で描けてしまうの、すごいずるいです。
そんな本です。
おすすめ……おすすめ……?自己責任で……。
人都でした。
2020年10月16日金曜日
16、華托捜索
華託捜索 | かがりび支店 https://kgrbshop.booth.pm/items/1835257
あのですね、明日試験なんすよ。
ITパスポートの、一回落ちたやつ!
巷のTLで「ITパスポート落とすやつおるん?w」みたいな呟きをしていたお前!アカウントは控えてないけど地味に引き摺ってるんだからな!バカ!バカは私!英検3級に3回は落ちている私を舐めるな!笑え!
ということで今日のブログはほとんど書く気はありませんでした。
ただ、ここまで何とかして日刊を頑張れてきたのでテストを理由にして絶やすのはもったいない気がして……いやでも今日は書くのに十分も使いたくない、でも本に対してそんな雑な扱いするのはちょっと……という感じで、やめるにやめれず誰でも雑に扱っても良いとされる自分の同人誌の話をちょっとだけして今日は終わります。
簡単に言ってしまうと、石榴倶楽部と萌里菻ちゃんをめちゃくちゃに描きたかったけど原作(?)を踏襲していきたくて懸命にやわ頭で考えて、「SCP-170-JPのあの女の子が石榴倶楽部に向かわず、萌里菻によって関与を止められていたらどうなってたと思う?」みたいな物語を描こうとしました。
あとねぇ、収デンというリアイベの場で石榴倶楽部をダイレクトマーケティングしたかったんですよ……マジでSCPなんもわからんけど石榴倶楽部だけアホみたいに語れるから……。
ここは石榴倶楽部のチュートリアルのつもりで描いてたページです。どうしてもモノローグに頼ったり、説明を長ったらしくしたくなくてすごい台詞打ちに悩んだ記憶が。
ちなみにこの漫画は、私が初めてまともにトーンを貼った作品でかつおもちゃじゃないペンタブとクリスタを買って4ヶ月ぐらいで描いた、もう地獄の様にデジタルの機能がまずわからない中で刷った本です。
どれぐらい地獄だったかというと、漫画の原稿用紙の使い方をわかってなくて印刷会社さんに3回ぐらいNG貰いながら「自己責任なんでもう本になればいいんで無視して割増課金で刷ってください…」とマジ泣き電話を入れるぐらい地獄でした、漫画難しすぎる。
ただまぁ思い入れはありますよ、すごく。
何せSCP-170-JPの作者さんである遠野さんにDMで凸らせていただきまして、記事について質問させていただいた上でネーム練らせていただいたんですよ。
だからデジタル執筆の漫画としてはめちゃくちゃ見苦しい上に絵が見てて辛いにも関わらず、ストーリー自体は今でもかなり好きだったりします。
あとタイトルも好き、売ってた時にちゃんと「かたくそうさく」って読んで買ってもらえたときよっしゃ!と思いました。
実は今も月末の魔法少女オンリーに出すための漫画を描いているのですが、一通りの機能がわかって描く漫画はかなりスムーズです、原稿の進みは修羅のそれですけれど…。
もし気になる方がいらっしゃいましたら華托捜索の方、URL先のboothにてお取り扱いがありますので(在庫…)手に取っていただけたら、私と私の懐が喜びます。
最近北斗の拳15巻セット買ってしまったんですよね、どこに置こう。
それじゃあもう終わりです、あーあ明日こそ受からなきゃまずいよ…。
人都でした。
2020年10月15日木曜日
15、ライチ☆光クラブ
こんちは人都です。
ライチ ラライチ ララライチ。
ライチ☆光クラブ 古屋 兎丸 https://www.amazon.co.jp/dp/B00G2678D8/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_UifIFb1YCJRZ4
ライチ光クラブは最高ですよそれは……描かれる全てが過激。
最高のグランギニョル、耽美残虐劇です。
物語の舞台は近代の急激な発展により工場の排気と老いた大人の虚無感に包まれた町、螢光町。
そしてその一画の廃工場に年頃のまだ大人ではない少年たちによる、ある信念を掲げた結社「ライチ光クラブ」が存在しました。
それはまるでナチズムのように統率を執る圧倒的な頂点が存在し、若い肉体を包む学生服をまるで軍服かと見違えるほどに冷徹で、それでいて赤子のように欲望に忠実で虫を潰すのも人を解剖するのも彼らにはほとんど等しく、自らの曖昧な存在をコードネームで規定する少年たちのあまりにも異質で異常な集団です。
彼らには部外者にどんな犠牲を払わせてでも叶えたい、いや叶えなくてはならない一つの崇高かつ未踏の機密がありました。
それはクラブにおいて永久の美の象徴として偶像役を務めさせるために、美しい少女を攫わせる力を有する、肉を持たず醜悪ではない無機を主体とした手先とする為のロボットを作り上げるという計画です。
人間は年を経れば経るほどに醜悪な容姿を晒し、その癖美しくあろうと足掻くものの結局薄皮の下には等しく臓物が蠢く生命であると彼らは思考していました。
そして彼らは、自らはその限りではないと、成長や老化には抗うことが出来るのだと妙な純粋さでそれでも
確かに信じていました。
そして、その少年らの技術と思想によって形成されたロボットは楊貴妃が愛した永遠の美の象徴である「ライチ」の名を冠し、それらを燃料として起動ナンバーの「666」と共に自らの自我に目覚めます。
まず前もって書いたように、この漫画は過激の全てを内包しています。
内臓を伴うゴア描写に性的暴力、政治思想、危ういオカルトと同性愛者に徹底された美しすぎる中学二年生じみた思想の病、大人になりたくないと藻掻きながら仲間を蹴落としあい裏切り壊れていく醜さ、誰かを妄信することで一時の不安を喜びで誤魔化す子供たち。
これぞダークサブカル!という美しくも破滅的で子供らしさにしがみ付く破滅的な自滅。
なのに、読後感はあれだけの情報のカロリーと猟奇的な鉄の匂いの紙面を持ちながらなぜか物悲しく空虚でやり切れない気持ちになってしまうのです。
あと私はライチというキャラクターが本当に大好きです、もしかしたら誰よりも人間らしい人間ではない存在を好むのはここから始まったかもしれません。
耽美で美しい少年の中で異質な無機であり、時折挟まれるモニター越しのドットのような表現や回路のコマも痛く好んでいます。
一番かわいそうなロボット。
読んでいてすごく苦しくなる、カノン……。
誰もが哀れで美しく、けれど確かに信念はあり真暗の中にもがき苦しみ落ちていく。
これはそんなアングラ十代のバイブルになった漫画でした。
……でも、ちょっと大っぴらに人には勧めづらいかな……内容が内容……。
人都でした。
2020年10月14日水曜日
14、番外 女の子のためのクチコミ&投稿マガジン
こんちは人都です。
体調が微妙で、少し寝て起きたら既に23時を回っていました。
ほんとなら今日はバイブルであるライチ☆光クラブの話をしようとしたのですが、あまりにも深夜なので(いつもは22時に書いて読み直して出している)簡単な雑誌の思い出話でもしようと思います。
「女の子のためのクチコミ&投稿マガジン」って雑誌をご存じですか?
学研から2016年まで隔月で学研から出版されていた、アニメージュとかの後ろについてくるお便りのコーナーが内容の8割を占めるような内容の女オタク向けの雑誌です。
表紙には名だたる女性向けのイラストレーターや何度も掲載され名の知れた大型投稿者によるイケメンが視線を向け、独特なショッキングピンクが書籍全体のテーマカラーとなっています。
私が初めてクチコミを手に取ったのは七年前、中学一年の頃だったでしょうか。
私は中高一貫の女子校で六年間文学部に所属していましたが、最初の三年間だけはイラスト関係の部活にも所属していました。
私がその頃に好きだった版権物は恐らくその頃からメインはまどかだったはずなのですが、それ以外にもカゲロウプロジェクトや北斗の拳、モンスターズユニバーシティとかダンガンロンパなどのコンテンツもとても愛好していました、あとMSSPの手書きMADをすごい見ていたような、ヘタリアも!
そんなただでさえ混沌とした好きジャンルを更に増やしていったのが、部活の先輩ににつられ購読を始めたこのクチコミという雑誌でした。
女の子のための、と銘打たれたように内容は乙女ゲームやボーイズラブが公式で特集されているのが特徴です。
ホモォ……なんて今ならLGBTにぶっ飛ばされそうな用語が大流行したのもこの頃ですね。
これはもう、今読んでも驚いてしまうのですが本当に投稿者たちが形成していく雑誌でしてはがきサイズに指定されたイラストにそれはもうめいめいの推しと好きジャンルの二次創作を押し込んでそれがずらりと雑誌の紙面を飾る……という学研は良くそんなことが出来たな!?という日本全国の女オタクの情念を元気玉かのように集めたとんでもない熱量の雑誌でした。
どれだけすごかったって、投稿者メインの雑誌でオールジャンル対象のカップリングランキング投票企画(!?)を行ない、受け攻めの逆カプ同士が2TOPを飾るみたいなそれは本当に界隈的に大丈夫だったんですか?と問いたくなるような本当に女オタクにすべてのオールを任せているような雑誌でした。
あと投稿者のオタクな日常を四コマ化して投稿できるコーナーもあり、一人じゃないんだなぁとしみじみ読みふけっていたものです、ちょっとしたTwitter風コーナーですね。
同人のラミカや便箋の通販を仲介されているコーナーもあったのは今ではなかなか考えにくいですよね、あれだって普通に住所と本名を本誌で明かす仕様でしたから。
なんなら回によっては普通にBL化された二次創作が掲載されているアニメの公式最新情報だったり描きおろしも掲載されていましたからね、今考えると怖すぎませんか?
刃物とか送られなかったのかな……。
手に取った2013年当時、まあPIXIVもないことはないけれども影は薄くまた年齢のこともあってSNSを規制されてもいたので中学生の私にとってはそれが隔月の出版であったとしても女オタクのトレンドを知る唯一の手段でしたね。
あと、確か記憶では黒子のバスケやマギ等が覇権を取る中で自分の好むマイナージャンルが掲載されているかどうか、なんていうのも購読を続ける要因の一つになっていました。
どんなイラストにも掲載されれば編集側からのちょっとしたコメントが付く仕様にも愛がありましたね。
どれぐらいかというと、トランスフォーマー関連の投稿に付箋をつけていたぐらい。
また私は長らくパソコンで絵を描く環境が無かったために、コピック一筋で通していたのですがこの雑誌は有名投稿者によるイラストメイキングであったり画材紹介のコーナーにも富んでいて、その点でも私は非常にお世話になった雑誌です。
いまだに追いかけているイラストレーターさんもたくさんいますね。
私も一度トランスフォーマーアドベンチャーの投稿をした?してない?どっちかは思い出せませんがまあ拙いながらも頑張ろうとした痕跡はあるようです、載らなかったですがね。
だんだん時代が移り変わって、二次創作者がネット上である種のコンテンツ発信者になることが普通になっていっていつの間にかクチコミは廃刊となってしまいました。
しかしながら、私にとってそのピンクの雑誌は決して捨てることの出来ない宝となりましたし実際にはじめて同人イベントにサークル参加した時にも、クチコミに特集されていたそれこそ本当の同人活動を行う上での「クチコミ」や守るべきルールについて学ぶ一種の教本となりました。
そんな思い出の話でした。
人都でした。
2020年10月13日火曜日
13、ポピーザぱフォーマー
こんちは人都です。
そう、これはあの大昔のチェーンソーでケモノに八つ当たりするウサギピエロで有名なキッズステーション放映ノンボイス3Dアニメ漫画版です。
インターネットのアングラを漁れば漁るほどオタクサークルで勇者になれる時期っていうのはまあ実在していたのですが、ウクライナなんちゃらやグリーンお姉ちゃらあたりの本当にやめた方がいいものに紛れて、例えばイキグサレとかぶりっこテクノみたいな病みつきになる本当に良いものに出会えた場でもありました。
OPは私のカラオケの十八番です。
本当にこれ以降ずっと増田監督作品を追っています、どこかでハートにぐっさり刺さってしまった。
次点で好きなのはファニーペッツ。
今このブログを書くためにAmazonからアドレスを引っ張り出したのですが、またびっくりするぐらい高騰してますね。
私が持っているものは、この作品がが復刊される前にそれこそ3万やら5万やら10万やらで本気の超プレミアとなっていた状態の下で増田監督の作品ファンらが復刊ドットコムに熱烈なラブコールを送り続けこじつけた十五周年記念の2015年復刊版です。
主人公のポピーは一人前の道化俳優「クラウン」を目指す17歳で、顔に中国の変面の如くころころと表情の変わる面をつけた正体不明出自不詳なオオカミの男の子・ケダモノと共に曲芸やサーカスの出し物の練習をしています。
だけれど、いつも決まって芸事の容量が良いのはだいたい幼いケダモノの方。
それがポピーには面白くありません、なんたって誰よりも巨大な自尊心といつだって誰にだって勝っていたいと思うようなとんがった思想ををウサギのきぐるみにそのまま閉じ込めたみたいな無茶苦茶な論理の人物なんですから!
そこにゾウにカエルに自称父親の完全変態不審人物・パピィも加わりながら混沌のヴォルフ・サーカス団は砂漠の真ん中で今日も理不尽を演じます。
「ケダモノの顔は……」
まさか今になって理解が来いで著名なポピーザぱフォーマーの冷静なあらすじを書くことになるとは思ってもいませんでしたが、いわゆる少しバイオレンスだけど次の話では何事も無くなっているタイプのコミカルでスナックなブラックコメディーギャグ漫画です。
全編七割分からないけど、実際面白い。
作品を語るときに別の作品を持ち出すのはナンセンスではありますが、あえて出すならハッピーツリーフレンズと平行線で語られることが私のオタクサークルでは多かったような。
この漫画の内容はほぼ全編が監督の妻である増田若子さんによるイラストで描き下ろされており、アニメのバージョンよりバイオレンス感がなめらかで絵柄もかわいく、また時折その話限りの名の無い露出多めな女の子モブが少女漫画チックに混入しています。
ちなみにモブ女は割と吹き出しで喋りますが原典ポピぱキャラはほとんどまともに話しません、ノンボイスで徹底されていることに当時びっくりした……そのかわりBGMが高確率で幻聴します。
まあポピぱであることに変わりないのでおおかたいつも通りシュールに死ぬんですけど。
ポップでキュートな人命軽視短編がたくさん詰められていますよ、なんなら放送コードの概念が飛んでいるのでアニメ化はやめておいてほしい表現はエレクトロニカルパレードしています。
あと巻末には監督と若子さんのインタビュー記事も掲載されていますし、キャラクターデザインの没案やお蔵入りしたポピーの妹・マリファちゃん、ポピーのウサギ服の下のイラストもありますよ。
まさに88ページに渡るド濃厚なポピぱ書籍完全保存の決定版。
きみも夜中にカバーを外して恐怖しよう!
いや、簡単に人に勧められない値段になっちゃってますけど。
ああ、ちなみに最近になってこの作画担当の増田若子さんはTwitterを始められまして、なんとポピぱを含めた増田龍治作品の現代日本風味学パロイラストをよくネットに上げられるようになりました。
何言ってるかわからない?わたしもよくわからない。
ただ自主製作二次創作と知っていてもn年間公式供給が無かった中で突然この事実を知ってシンプルに混乱したままオタクは拝みました。
もしご興味のある方は、なんだか直リンを貼るのは気が引けてしまうので増田龍治監督のnoteから「ちんちくりん」という三話に渡る2020年投稿の増田キャラの散文に目を通されることをお勧めします。
うお……って感情になります。
あれはでっけぇ感情よ……。
手に取ってっていうのも難しい本ですけれど、その分間違いなく私の宝の一冊です。
人都でした。
2020年10月12日月曜日
12、ムヒョとロージーの魔法律相談事務所
こんちは人都です。
2020年10月11日日曜日
11、きぐるみ防衛隊
私はどちらかといえば少女漫画より少年漫画、少年漫画より美少女アニメみたいな趣向の持ち主であるため、本棚から魔女っ子系を除外するとピュアなラブコミックはほとんどありません。
その中の貴重な非魔女っ子少女漫画の中の一つがこの「きぐるみ防衛隊」です。
いや……少女漫画としてこれを好きって言うとヤバい趣向が漏れるので普通に女友達に話したりしませんけど……。
主人公のリボンのかわいくてちびっこい笹倉はっかちゃんは生徒会のセンパイに胸をときめかせるどこにでもいる普通の十四歳です。
そんな恋に恋するキュートガールであるはっかの元に突然牛のゆるキャラのようなきぐるみのような様相の生物が現れます。
それもご自宅に、前触れなく、バライティのADのようなフリップでコミュニケーションを取ろうとする怪しすぎる巨体の不明生命体。
何故そんな正体不明のきぐるみが突然はっかの日常に現れることとなったのか。
それは学園のカリスマである生徒会長が指揮を執る「この世界を守る戦士」集団として、尽力するための相棒関係を築くためだったのです。
「ほかの世界の悪い人」たちの侵略を防ぐため、生徒会長曰く「ハートがピュアな」はっかと同級生であるのばら、後輩の五月はこのきぐるみのような謎の生命体と急造のバディとして息を合わせて立ち向かわなくてはなりません。
そしてそのきぐるみの本領を120%引き出すためには、相棒としてある行動をする必要があるのでした……。
ええそうですよ!これも一種の戦う女の子コンテンツですよ!
でも女の子は変身しないし、主従バディものだし、なんかいろいろ新しすぎたんですよ、カルチャーショックで。
これ本当になかよし連載作品ですか?となってしまうぐらいのバトルラブエロチックミステリーの全てを鍋に入れて星野リリィ先生作画で出力してくるバケモノ作品ですからね。
作中の専門用語だけでも結構な量があるんですよこれ。
あとマジであんまり言及したくないレベルでかっこいいと思う致命傷の性癖であるオールバックとクッソ塩対応とスーツで肉弾戦を行うの全てを踏んできて、なんかもう死んでしまう、オタクいまだに読むたびに死んでる、何?かっこよすぎる、下手な性的枠より内臓に刺さるからマジでTwitterでもあまり言わない、一冊で一日に摂取していいギャップの摂取量ぶっ壊れる……。
あと絶対生徒会長好きなフォロワーいるんだよな、メチャクチャ顔がいいことが自覚出来てる割とお茶目なようで得体のしれない怖さを抱えた上司存在。
あとキスシーンが全ページきれいすぎて泣いちゃいそうになる。
実は人外が制限付きで人化するという普段口にするとマジで叩かれそうな性癖も抱えているのですが、それはだいたいこの作品のせいです。
イケメンに屈するのほんと慣れてなさ過ぎて、普通にどぎまぎしてしまうんだよバカ。
あと星野リリィ先生はもうほんと最高なので、廻るピングドラムを青春に負っているのでもうね絵を見ると溜息が出ますよ、扉絵天才。
可愛いしか言いたくなくなるが……。
しかしながらこの「きぐるみ防衛隊」、現在においても三巻が最新刊となっている作品です。
なぜって五年前、連載中に星野リリィ先生が産休に入られて作品の続きが未定になってしまわれたんです。
五年、続きを待ってる……成人しても待ってますよ……マジで……。
ぜったい伏線と謎がありえないぐらい張り巡らされてるのだけが分かるんだよ。
一緒にこの作品を三巻まで読んで、続編が来るまでやきもきしてくれませんか?
お願いなのでピンドラに合わせてこの作品も知ってください。
よろしく……人都でした。
2020年10月10日土曜日
10、アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子
こんちは人都です。
今日はいつもより若干薄めの文庫を手に取りました。
アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子 (幻冬舎文庫) 深町 秋生 https://www.amazon.co.jp/dp/4344417062/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_vPCGFbD8TXKZ0
いわゆるアウトローかつハードボイルドな女刑事ものです。
強く理知的な女が性と暴力にまみれた裏社会で暗躍するサスペンスですね。
暴力団やチャイニーズマフィアと手を組みながら、同僚に金を貸して名実違わない貸しを作り誰にも物を言わせないとんでもなく真っ黒なダークヒロイン。
……なんだか最近なんとなくで手に取る小説がどれもこれも強めのセックスと残念な警察ばかりなような……どこかで純ミステリを読みたくなってきた……。
いや暴力が嫌いってわけではないですが、二冊連続でキツめの性的グロものは胃に来る。
警視庁の上野署に籍を置く女刑事、八神瑛子はふとした事件により新聞記者の夫と愛娘を失いました。
その事象の扱いが不明であるにもかかわらず自殺と判定された後、数々の賞与を得るほどの難事件を解決する活動成績を上げながらもそれらの調査を不明な手段によって単独で行う汚れ物の刑事として職務に復帰していました。
そんな中、彼女の担当区域で女子大生の刺殺事件が発生します。
そして伴い似たような容姿、黒髪の美女が次いで遺体で発見され、この事件は関連性があるのかどうかといった点でも捜査班の脳を悩ませます。
そしてその第一の被害者である女子大生の素性が暴力団の組長の一人娘という事が判明すると、瑛子は独断で自らの裏社会の人脈から情報収集を試みますが、その行為を快く思わない所長により彼女は監視下に置かれることとなりました。
しかしながら日常的に闇に片足を置く彼女にとってその程度の視線は糸屑よりも意味のないものであるかのように彼女は着実に暴力団の中心人物をはじめとした犯罪人との情報交換を行い、他の捜査班よりもはるかに素早く事件の核心へと迫っていきます。
時に暴力沙汰に巻き込まれ車に轢かれかけながらも、生身で大の男と戦い拷問と自白強要も手段として厭わない瑛子。
彼女は何故、事件の真相に対して冷徹かつ感情を失ったマシーンかのような単独捜査を行うのでしょうか。
私は何というか、嫌いではないのですか全体的に女刑事である瑛子があまりに「強い女」過ぎて、周りの正しいことをしている警察が若干かわいそうな無能に見えるというか、良くも悪くも治安と倫理の悪い軽めのアクションものスナック小説だと感じました。
この小説は三部作の一巻らしいので、情報が意図的に少なくさせられているのかもしれませんがこちらがハラハラする前に最強女刑事が解決しすぎてしまうのでギリギリな気持ちを期待するのはちょっと違う小説なのかもしれません。
シリーズものらしいので折を見て続きも読んでいこうと思います。
おすすめです。
人都でした。
2020年10月9日金曜日
09、魔法少女育成計画
こんちは人都です。
今日も予定通りに͡͡コトが進まなかったので、好きな魔法少女語るブログになります。
魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫) 遠藤 浅蜊 https://www.amazon.co.jp/dp/479668039X/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_r8gGFbSPT2XF5
ちなみにアニメももちろん視聴済みです、ドラマCDは未履修だけど短編は全部読んでます。
作者の遠藤浅蜊先生はマジで最高です、続刊も全部収集済みですし八年経った今でも現行の最高マジカルサスペンスシリーズです。
この物語の中心として波乱を巻き起こす原因となったのはある地域で局地的なブームを巻き起こしていた携帯ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」でした。
そのゲームにはある裏の目的が運営により巡らされています、それは「魔法少女の素質」のある女性を見出すといった調査の用途です。
実際にこのゲームによって幸運にもさまざまな少女や女性が、魔法少女として変身機能と制限付きの異能を手にすることとなり、めいめいはこの力の使い道を少しずつ見出し始めます。
ですがあるとき、運営は唐突に一つの通告を行いました。
魔法少女を増やしすぎてしまった、これより一週間ずつ社会への貢献度ポイントが下位の者からその資格を失わせるものとする──と。
まあ簡単に言ってしまえばこの作品は異能力バトルロイヤル的な要素の含まれたライトノベル作品です。
ただこの作品の一つの特徴として挙げられるのが「魔法少女は素質を持つ生物学的雌であれば何歳でも成ることが出来る」という設定ですね。
これがどういうことかというと、どんな年配であれ年端も行かない少女であれOLであれ変身さえしてしまえば本来の姿を大きく離れた美少女に代わることが出来るといったちょっとしたアバター的二面性が物語の中で重要なポイントを押さえている、といった点です。
またこの一冊では若干わかりにくいとは思いますが、この作者は異能力を意外な方向に活用する展開を文字の中でとても鮮やかに描くことが特徴で、私の中では記憶を消して読みたくなるタイプのシリーズです。
あと女女感情。
女女感情があまりにもうますぎる、作者の性別は不明ですが女性の心理描写が生々しくて分厚すぎるいい意味で人の心が無い書き方もする。
クッソド重いです、無印はそうでもないかもしれなくてもこの描写の容赦なさは続編のたびに加速しています。
それでいて十六人というちょっと多すぎるぐらいの美少女たちを時に凄惨にテンポ良く脱落させながらも、バッキバキにキャラを立てて書き分けているのも大好きです。
作者がそもそも魔法少女という概念に対して愛が強すぎるのが分かります、よくある設定に乗っかるのではなく流れを踏襲しながらも自己流の世界をきっちりと混ぜ込んでいる。
ちなみに今では魔法少女が悲惨な運命と人間関係の対立に巻き込まれる作品はわりかし多くありますが、まどかは2011年発表作品、まほいくは2012年出版かつ大賞公募エントリー作品ですのでちょうど始祖のあたりと言ってしまってもよいかもしれません。
ちなみに脱落してしまったキャラも、後々にヒットしてから出た短編集できっちり補完してきますこれがしんどい、推しはあの日生きてた……。
推しはねむりんとトップスピード、あとスノーホワイトです。
ちなみにアニメ版は若干短編集を踏襲して再構成されているので、このあたりの日常パートが厚く濃くなっていますね。
またあまり日の予定が良くなかった日にはまほいく続刊の話で乗り切っていこうと思います。
まほいくを読め。
人都でした。
2020年10月8日木曜日
08、さまよう刃
こんちは人都です。
今日は絶対に外れないものが読みたかったので父親の「東野コーナー」からこの本を借りてきました。2020年10月7日水曜日
07、バーチャル・テック・ラボ‐「超」現実への接近-
2020年10月6日火曜日
06、あなたには帰る家がある
こんちは人都です。
今日読んだ本は直木賞作家である山本文緒の「あなたには帰る家がある」という、ちょっとドロッとした恋愛小説です。
あなたには帰る家がある (集英社文庫) 山本 文緒 https://www.amazon.co.jp/dp/4087487385/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_TkhFFbHD5MA2X
この小説は父親の本棚から拝借してきたものです。
私の父は私とおなじかそれ以上に本を愛好しており、棚にはまた私とは違う系統の文庫が並んでいます。
まあ、私が時代劇物が唯一苦手なために三国志やマイナーな武将をメインとした本には手を伸ばせないのですが。
この小説の中心となるのは二組の男女、住宅セールスを生業とするサラリーマンの秀明、行動派かつ真っすぐな性根を持った幼い娘を抱える真弓の夫婦と社会科教師で茄子のようだと形容される太郎、その妻の危うく異様に美しいけなげな綾子とその一家です。
あえて先に言ってしまいましょう、この小説の主軸は不倫関係にあります。
こういってしまえばなんだ不倫か、よくあるドラマの美化不倫みたいなやつか、と思われるかもしれませんが、そんなありがちな不純さを単純に結論付けられない形に運んでいる描写の手腕がとてつもないのがこの小説です。
この物語は茄子田が思い付きのように新築を買うことを考えるシーンから展開されていきます。
そしてそれに従って彼の一家は住宅展示場へと足を運びその過程で契約の取り付けに励む一介の会社員、秀明と顧客とスタッフの間柄で知り合うこととなるのでした。
住宅展示場は家にまつわる、まさに理想を形にしたような設備が様々に展示されたちょっとした夢のテーマパークのようです。
子供たちははしゃぎ、それに釣られて周囲の大人たちも金額を横に置きながらサウナや星の見える天窓、最新の二世帯住宅の形について希望を口にしていきました。
しかしながら、太郎が荒々しく品のない口調で要望を語りだせばその他の身内は全員黙り、太郎の言うがままを是とするように振舞います。
営業マンである秀明は戸惑います、契約をいかに取るかが評価に結びつく世界では高いオプションを付与できる可能性のある潜在顧客は手放したくはありません、それなのに先ほどまでの希望をまるでなかったかの様に茄子田家の一家は黙ります、何より家を施工する際に最も話し合うべき家族間の意見は太郎以外は全員異なっているはずなのに誰も対話すらしようとしません。
茄子田家のような複数世帯の潜在顧客を狙い目とした秀明はそれ以降何度も自宅へと足を運び、手を変え品を変えどうにかして綾子をはじめとした一家との交友を深めることに力を注ぎ始めました。
その内に彼はこの家の歪な構造と立場関係、そしてその中に一人だけ他所から嫁いできた綾子の脆さを目にします。
懸命に家事をこなし食事も品数多く作り上げ、理想的な食卓を作り上げるその椅子に太郎が座ることはありません。
なぜか?簡単です、彼は口調が悪く醜悪な割に適当な女を口説く癖があり、風俗やスナック通いを行う男なのですから。
綾子はそれを知っていて、それすらも飲み込み毎日を模範的な母と主婦として巡らせていましたが、その日常の中に突然訪れたのが秀明という並みにハンサムで自分の家事を褒めてくれる唯一の男性でした。
彼と彼女はそうして逃避的な恋愛に身を投じます。
と言っても駆け落ちなんてできるほど夢想的な二人ではありません、なぜならそこには仕事があり、子供があり、そして二人は既に「避けることの出来なかった結婚」という縄に縛られた者同士であったから。
秀明も前述のように既婚者であり、家には妻と幼い子供を抱えています。
そして彼も全く出来た男というわけではありません。
どちらかと言えば男が働き女は家業に励めよというソフトな男尊女卑を抱えた非常に古典的な男性で、その思想を種として妻との間には確実な不和を生んでいました。
ええ、その不和から彼の妻は子供を保育園に預け労働に復帰を試みることとなるのです。
それは頭の凝り固まった、家事を一ミリも手伝いやしない夫への小さな反逆でした。
小さな小さな日常のゆがみが確かに波となって、静かに登場人物たちを擦れ違わせ傷つけ走らせる、そんな現実的で全く浮つくことの出来ない恋愛小説がこの作品です。
登場人物たちは読者にとって皆が皆好きになりきれず、共感が可能でなおかつ非常識ではない程度にささやかなズレを抱えたとてもリアルな人間たちです。
女癖の悪い太郎にしろ、ヒロイックな綾子にしろ読み進める内にその人間が如何に立体的な存在であるかあなたは気づかされることになるでしょう。
不倫に限らず、仕事に男女に家庭の在り方に愛に利益に多様性に、とにかく様々な糸が絡みあってこの閉塞的な物語を道徳の意地悪なトロッコ問題かのように複雑にしていきます。
きっと誰の考えも欲も正しくはありません、ではせめてこの相容れない問題をできる限りの幸せを持って走りきるのにはどうすればいいの?
タイトルの「帰る家」は救済でしょうか、それとも束縛の皮肉か。
ちなみにドラマ版もあるようですがそちらは若干人間関係が変更されていてほとんど別物だとかなんだとか。
個人的には一筋縄ではいかない物語は大好きなのでとても満足できましたし、様々なことを考えさせられる小説でした。
とてもおすすめです。
人都でした。