2020年10月24日土曜日

24、魔法少女育成計画restart

こんちは人都です。
あれです、今日はもういろんな要因でボロボロなのでまともに文が書ける気がしません。
さっき酔っぱらった状態で部屋のアンプに小指ぶつけてそのままふて寝しようかと思いました。
ですけれど、25日まで来て更新を止めるのはさすがに忍びないので無限回読んでる本の話だけします。
魔法少女育成計画 restart (前) (このライトノベルがすごい! 文庫) 遠藤 浅蜊 https://www.amazon.co.jp/dp/4800201829/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_zZeLFbNXE7X0V
最高の魔法少女と地獄の百合、ライトノベルらしくない質感に定評のあるまほいくシリーズ二巻目です。

このごくありふれた世界の裏側には「魔法の国」という不可思議な力を行使する独立国家が存在しています。
そしてそこから人間世界への万遍の無い干渉と調査、そして少しの善行の為に成立しているのが「魔法少女」と呼ばれる存在です。
この前編表紙で事態が呑み込めないような顔をしながら巨大なフライ返しを掲げる少女「ペチカ」もその一人。
魔法少女たちのほとんどは妖精のスカウトマンを通じて希望の下に試験を経て魔法の国の要望や指令に時折答える代わりに、固有の二つとない魔法と素材が何であれ非の打ちどころのない美少女の容姿となることの出来る変身権そして驚異的な身体能力等の超常的異能を若干私的利用してもよいという対価を得ることで合意を結んでいます。
しかしながら、その固有魔法というものは使いやすいものからピーキーなものまで確認されるのにもかかわらず、合意を得た後でなければ自分がどのような力を授かれるのかは運営の目線からも全く知ることが出来ないというのが一つの欠点ではありました。
それが人助けに役立つものか、暴力言語を補助するものか、はたまたどうやって使うのか見当のつかないものまで。
そしてペチカの授かった人を喜ばすことに適した魔法「とても美味しい料理を作れるよ」は言葉すらも交わすことの出来ない争いの場において、全く使う当てのないはずれの魔法に成り下がってしまいます。

ペチカが突然強制的に巻き込まれたのは「魔法少女育成計画」と題された異常にリアルなゲーム形式の異世界でした。
魔法少女の世界には若干荒くれた者による戦闘鍛錬サークルや運営により近い機関があるとは聞いたことはありますが、魔法少女の中ではごく平凡であったペチカには理解できない状況に巻き込まれる因縁の覚えが一切ありません。
RPGのように襲い来る敵モンスターを殴ることすらできず、やっとのことでパーティに滑り込んでもおいしい料理は何物も傷つけることは平凡に幸福な中学生の彼女の性格や魔法の特徴からしても不可能で、結局のところ全員がかわいい戦闘ヒロインの中では大して働くこともできないお荷物になることしか出来なくなってしまいます。
「戦う魔法少女」と「戦わない魔法少女」の間には容易には分かり合えない溝がありました。
時が経つにつれ、この異常な空間には常識的にありえないはずの要素が組み合っていることが判明してゆきます。
解くことの出来ない変身と経過日ごとに口座に加算される金額、安全対策の杜撰なステージと自己犠牲を推進するようなシステム、倒すべき魔王の不在と魔法少女の対立を煽るイベント、魔法の国との連絡手段の遮断そしてゲーム内と連動した現実世界での死。
そんな理不尽な状況であってもペチカには生き抜く決意として、現実での一筋の恋がありました。
あまり愛嬌のある容姿ではない智香にとって、あこがれのサッカー部の男の子・二宮君とお近づきになるにはその有無を言わせぬ美少女の体と胃袋を掴むことの出来るペチカの存在が必須だったから。
ペチカたち16人の魔法少女ははゲームのクリア、そして討伐すべき魔王と裏に隠された陰謀に持てる物の全てでぶつかることを決意します。

まほいく初の二段構成作品であり、その分公募作品であった無印版以上に作品内に「人間としての彼女たち」が組み込まれ作者が得意とするガワと中身の対比がとてもよく効いた作品です。
無印は共同の敵が良くも悪くもいなかったのですが、今回はクローズドシナリオに加え失踪した魔王についての謎解きや、自分たちの集められた理由についての謎等が存在することでバトルロイヤルと人狼ゲームめいたサスペンスも楽しむことが出来ます。
そして無印からは内に秘める物が加速したスノーホワイトもチラリと登場しますよ。
そしてこれは何度でも言いますが、人が何人も死ぬのにちゃんとこちらに印象を残して時に別の少女に意思を遺していく描写のお家芸がもう抜群に効いています。
別発売の短編で平穏な日常を補完するのも、傷にブートジョロキアぶち込むぐらい衝撃を与える作家ですからね……魔法少女は誰だって主人公になり得る……。
あとプフレとシャドウゲールのコンビはほとんど合法麻薬カップリングです、知ってね。

限界が近いのは今日はこの辺で。
まほいくを読みなさい。
人都でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

2022/2/6

  こんばんは、人都です。 お久しぶりの更新ですが、またあまり快いことを書かないことを許してください。 本当にこの場所が肥溜めのようになっていることを案じてこそいますけれど、本来は絵よりも文のほうが気楽な私には重い悩みは絵にぶつけるよりも書き出す方が安眠剤になるのです。 私の親が...