こんちは人都です。
毎日こむぎねんど しばたたかひろ https://www.amazon.co.jp/dp/4837310672/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_vPAJFbP1AA23Y今日は久々に調べ物をする必要に駆られ、図書館に行っていました。
結局相当狭い分野だったので、あまり得たい情報は得られなかったんですけれどね。
ただまあ何となく興味のある本を五冊借りて、あとリサイクル本として無料配布されていた本をまた五冊いただいきました。
本棚がどんどん限界になっていきます。
そのうち読んでここに書いていきたいですね。
今回は評論でも物語でもない手芸作品集の話をします。
この本の著者であるしばたたかひろさんはTwitterでも精力的に活動をされているアニメーションや造形を得意とする作家さんです。
彼の造形の特徴は、その緻密な観察眼はもちろんのことその日常に異常に密着したモチーフを題材としているところです。
それもまるで物質が原型を失ったり物としての役目を終えたようなそんな時を閉じ込めたレプリカは、一瞬の困惑と共にじわじわとこみ上げる感情を人に抱かせます。
例えば、「表面のチョコからなくなるアイス」からはじまり「もうじき溶けきるバブ」や「皿からはがれなくなったスライスチーズ」「乾燥した冷えピタ」「歯槽膿漏」「カラオケBOXの椅子を雑に補修しているビニールテープ」「なんかケーブルテレビで見まくった虹色画材」「ちょっと嫌な感じになった絆創膏」「先っぽをガシガシしたアイスの棒」「焼きすぎた牛タン」「カレーを洗ったスポンジ」など。
正直に言ってしまうのであれば、その緻密に作成された作品のほとんどが生活の中の残り物やゴミ、クズに該当するものです。
しかしながらその全てが本当に真摯に、そして見まがうほどの再現度で現実に新たな被造物として作品化されています。
確かに認識の中に存在はしていて、身に覚えもあるけれどあまりにも醜くて、正直汚いとまで判断することがあるほど気にも留めようがない。
すべてがダサいもしくは一瞬で失われそうな本当にちみっちゃい題材なのになぜか真摯に作られすぎているせいか目が離せなくなる。
私がこの本を買ったのはそれこそ、このしばたたかひろさんの個展が行われていた会場で本当にふらりと大学帰りに立ち寄ったのですがその指先程の作品に一瞬に目を奪われこの本を個展の売店で購入しました。
私は元々趣味で粘土細工を嗜んでいますが、樹脂粘土でも軽量粘土でもなく非常にシンプルな小麦粘土で造形を行なっているというのも普通なかなかマネできたものではありません。
本当に百ページ近くがすべてこの小さい宇宙で満ちています。
おすすめです。
人都トトでした。
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