2020年10月5日月曜日

05、血(新堂冬樹)

こんちは人都です。

本屋の文庫本コーナーってワクワクしますよね。


今日はそんな文庫本コーナーで表紙買いをした小説を読みました。

血 (中公文庫) 新堂 冬樹 https://www.amazon.co.jp/dp/4122068320/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_zQYEFb0YWB4EA

赤黒い背景を背にどろりとした赤い紐のような靄のような血管にも似た繊維が虚ろかつ艶めかしい視線の女子高生を包んだ表紙

私が本当に腹に据えて表紙買いをするときは後ろの説明文すら読まず本屋に入って五分でカタをつけるぐらいの勢いを大事にしているのですが、もうこれは三分スマッシュでレジに出しました。

ちなみにこの小説は読後に調べたところ漫画版もあったようで、そっちはそっちで表紙のインパクトがマジでした、読後まで検索しないことを勧めておきます。


この表紙を飾る冷たい目の少女の名は本庄沙耶。

物語の主人公であり、紙面の全ての視界は彼女の物のみで描かれていきます。

冒頭シーンは自らの祖母の告別式、その厳かで悼むべきシーンでありながらその中で主人公の沙耶の視界に入る身内の姿はどこか楽し気に映りました。

一家の団欒、のように見えてどこかの歯車だけが欠けてしまったかのような歪な会話はそれでさえ家族という型の中に納まってしまえばまあそれもそれだよねと済まされてしまいます。

沙耶を形成した環境はそのような歪んだ血族の中にありました。

歪んだ、といっても世紀の大犯罪を犯したわけでも、身内にドラマによくあるような死刑囚を抱えているわけではありません。

九割を誇張した法螺吹きの小心者、女を見下しレイプに躊躇しない不労働の男、身内の金を盗みJKお散歩風俗に充てるロリコン、自分の弟を事故として殺した疑惑のあるすっとぼけた老人、不信をこじらせ攻撃発言しか行えない金持ち、金のためなら他人を駒にするレズビアン……。

一言で言うなればクズです。

この小説を構成するほとんどの要素は吐き気を催す邪悪の連続だといっても過言ではありません。

そしてある時、この血筋に一つの大きな衝撃が走ります。

夜、彼女がトイレへと席を外した瞬間、沙耶の眼前で自らの父母が目出し帽の男に殺害されたのです。

彼女はとても哀れな少女です、どんなクズでも母は母、父は父。

沙耶は周囲に不安がられたり、同情されながらもあくまで明るく振舞おうと努めます。

それでも彼女の周りのクズ身内は次々と不審な事故に遭遇し、いよいよ報道は過熱しながらインターネットのスレッドには「沙耶姫」を憐れんだり過剰に物語化する集団も発生していきまし。

時が経つにつれ、そんな声は同情からだんだんと畏怖、恐怖またはオカルテックな呪いへと移り行き。

沙耶を中心に巻き起こる血族の血の惨劇、その理由は?

彼女はいったい何者なのでしょう、確かなことは彼女の引くは確実にそのクズの家系に流れるものに違いないという事実です。

彼女を取り巻く血が絶えて行けども、彼女を構成する体内に息づく遺伝は確実に本庄の家系のものであるのです。


そうですね、職場で吐き気を催すクズに出会った時には最適なサスペンスかもしれませんね、どんな状況だ?

一応このブログでは必要以上のネタバレは話さないよう心がけているのですが、そうするとすごく語る難易度が上がるのがこの小説です。

これは褒め言葉として言いますが、この作品は邪悪なスカッとジャパン的ジャンルに位置します、眼前はやたら凄惨ですが描写はさらりとしていて引き摺らない、サクサク読める邪悪、共感できてたまるか。

確かに小説自体は一つのまとまりの中にありますがその内容は短編小説の集合体のように割と明確に場面が変化していきます。

構図は分からされてしまえば非常にシンプルです。

そのね、全方向クズの小説です、自分が大好きなクソしかいらっしゃいません、どいつもこいつも他人を心のどこかで見下しながら我をねじ込もうとする腐った性根、まともな人間はいないんでしょうか。

面白いですが、本当に表紙の印象をそのままずっと持っていきます。

そこまでやるか?と訝しむシーンもないことはないのですが、その理由もあまり分かりたくない気持ちで理解をさせられる、そんな胸糞の要素の強いスナックな娯楽小説です。

そうですね、血は争えません。

おすすめです。

人都でした。

2020年10月4日日曜日

04、'80s &'90s 魔女っ子おもちゃブック

 こんちは人都です。

今日は若干多忙な日となってしまい、一日パソコン作業や資格勉強とバイトだったので何度も読み直している系の本を紹介します。

80s &'90s 魔女っ子おもちゃブック 愛原 るり子 https://www.amazon.co.jp/dp/4766133463/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_EAEEFb2WJZC14

この本は私のバイブル的一冊、かつ魔法少女創作のキャラデザの際にいつも手元の置いている本です。
著者の愛原るり子さんはレトロキュートなデザインが特徴的なイラストレーターの方なのですが、それと同時に非常に幅広い女児向けの魔女っ子アニメ系玩具を収集される方として知られており、そのTwitterアカウントにはポップでキュートかつどこか懐かしい様々な写真が掲載されています。
この本はそんな豊富な著者のコレクションが時系列と作品ごとに整理されており、またそれらの過去の魔女っ子作品の公式と連絡を取りながら作品の公式画像や情報が交えられながら解説が行われている、まさに魔女っ子趣味のバイブルとも呼んでも過言ではない一冊です。
内容としては1980年のミンキーモモから2000年代初頭のおジャ魔女ドレミシリーズまでが掲載されており、時折コラムとして魔女っ子ものではない少女漫画関連玩具等も紹介されています。
この本は情報をまとめてある写真集や資料的な本に近く、作品の裏話とかインタビューというよりはただただひたすら密度濃く年代順に魔女っ子おもちゃの情報が掲載されておりビジュアルブックとしての面が強いかもしれません。

これはオタク的なバイアスかもしれませんが、私の世代に当たる2000年前後に生まれた子供に向けた女の子のアニメは何となく、魔女っ子ものが多かったような気がしています。
まず、物心ついた時にはおジャ魔女どれみがありました。
いとこのお姉さんとはキューティーハニーのおもちゃで遊んだ記憶がぼんやりとあり、もう今はないけれど東京ミュウミュウのアニメを黒くて四角いビデオの中にたくさん録っておいたはずでした。
手元には今でもプリキュアのおもちゃがたくさんあります、あとプレミアらしい一番古い型のクロウカードもあります、一番初代のジュエルペットのおもちゃとオンラインゲームにつなげてお世話の出来るぬいぐるみなんかもありました。
あとこんな歳でも結構主題歌は覚えてます、オタばれをしていない知り合いとのカラオケも懐かしいアニメソングで話題デッキを作ったりしていました。
まだまだ無限にこういう話はできるのですが、あくまで本の話をするブログなので止めておきます。
ジュエルペットてぃんくるは今公式がyoutubeで全話上げてるからマジで見ろ。

とにかくこの本はあのころ女児だった女の子にとにかく読んでほしいというか手元においてほしい一冊です。
生まれてない時代の魔女っ子がこんなに分かりやすく出てる本であったことないよ、ちゅうかなぱいぱいがあるんだよ、実写魔女っ子シリーズのコンセプトの斬新さ好きだから詳しく知れたのまじで魂助かっちゃったな……。

ただし、この本にはCCさくらとかセーラームーンシリーズのおもちゃとそのまとめは掲載されていません。
でも作者さんはセーラームーンシリーズ等の非掲載おもちゃもネット上にアップされていらっしゃるようなので、たぶん許諾が下りなかったのかな……と勝手に思っています。
それを抜きにしても相当の作品数が掲載されていてこれら全部に掲載許可を取りに行ったのかと思うとびっくりするぐらいの情報量はありますよ。
セラムンとかプリキュアも大本がどでかいから玩具専門まとめ本出してくれたりしないかなあ。
プリキュアの衣装についてだけが掲載された公式のまとめ本を持っているのですがすっごく良かったので、武器と変身アイテムに焦点を当てた本が欲しい気持ちすごいあります。
ああ懐かしさこそ正義、昔を知らなきゃ今は作れない、たぶん。

なんかもう本の文というか全部上回ってただの魔法女児コンテンツのやばいオタクの文章しかなくなってる気がしますがもう明日も来ているので寝ないといけません、四日目にしてやばいグッチャグチャ文を書いている自覚はあります、本当は今日の更新止めようかと思ってたし……。
明日は電車で行く予定がありますから、また新しい本を読んでいきたいと思います。

めちゃくちゃおすすめの本だからマジで読んでね!
人都でした。

2020年10月3日土曜日

03、弟切草

 「──私は妻を殺した」



こんちは、人都です。

今日は角川ホラー文庫版の「弟切草」を読みました。

弟切草とは大昔の名作ホラーノベルゲームで選択肢が非常に多岐であるゲームの走りとして認知していますが、当然のように未プレイです。

なんならダンガンロンパのスピンオフ作品である「霧切草」の方から知ったぐらい。

前もって言っておくのであれば、この本はゲーム「弟切草」の純粋なノベライズ作品ではありません。

閲覧者さんはPHP研究所系のサブカルゲームのノベライズを手に取ったことはありますか?

その中でも…青鬼シリーズのノベライズで目にする形式のようなちょっとだけずれている、何なら作中にはどうも「弟切草」というゲームが存在するらしい……そういう前提の全く新規な登場人物によって構成されたオリジナル展開の小説です。

そういって意味では原作を履修していなくともある意味フラットな視点で読むことの可能な作品であるとは思います。


主人公はゲーム「弟切草」の主人公と同名のそのゲームを作中世界で製作した張本人のゲームデザイナー、公平。

そしてその恋人の奈美の二人を中心とした怪奇な一夜がこの弟切草のストーリーのメインとなります。

逆に言えば前半部分まではこの二人以外の「現実の」登場人物はほとんど登場せず、そればかりかご丁寧にシーンの語り部を代わる代わる交代しながら、彼と彼女の視点の両方で物語は語られていくことになるのです。

そして彼と彼女というとてもお似合いのアベックが、その両方が相手にとても言うことの憚られるような過去の汚点を抱えた人物であることはこの入れ替わる視点の中で最も大きなサスペンスの要素となります。

この小説の大きな特徴はその主観を同時に読者が知りながら読み進めていくといった点でしょうか。

恋人同士の公平と奈美は深夜、ドライブデートの最中に奇妙な怪奇現象に襲われます。

雨の中、フロントガラスに弟切草が叩きつけられ、ブレーキは機能不全を起こし、山を滑り落ち、路頭に迷いながら幻覚に誘い込まれるようにして廃墟めいた洋館へと誘い込まれる。

そしてその展開はまるで自身の作ったゲーム「弟切草」に冗談かと思えるほどに似ているような─。

この小説の全体の印象はおどろおどろしく、不可解で、主人公たちの思考ですらも偽ではないかと思わせる場面を多く持ついい意味で気持ちの悪い表現の多い一冊です。


ただし、ネタバレにならない程度で付け加えておくのであれば、物語の後半は若干どうしてそうなったのかが不可解な部分が多いような気はどうしてもしてしまいます。

他メディア系作品のノベライズ作品として仕方ないのかもしれませんが、「原作リスペクトなのかな……」と思わせる情景描写が多いわりに、そこ書く必要あったのかなと思わせるシーンは若干多いような気はします。

ホラー作品は発祥コンテンツかつ無印が一番面白いなんて無限に言われ果ててるとは思っていますがね。

あと脅かしのシーンもなんというかあんまり緊迫感がないというか、目の前のありえたらいけない光景よりも誘発性のPTSDの方が苦しんでる気がしたし、危機的状況での性的要素の入れ方がなんというか……な……いらない卑猥……。

元がサウンドノベルですから、難しい点ではあるのでしょうけれど。

なんというか、文章で怖がらせてくる表現の鮮やかな得体のしれないホラーが読みたい!というときに読むと若干肩透かしを食うかもしれません。

私は冒険的に読んでみようと思ったから、まーそんな日もあるよねぐらいですが、ホラーが本当に読みたい日にこれを手にとってもちっとも怖くないと思います。

でもジャンルをミステリやサスペンスにするにしてもちょっとラストまでの持っていきかたがあんまり……言いずらいんだけどな……作者の方がなんらかに追われてたのかな……。

好みが分かれる作品だと思います。

基本イエスマン気質な私が表現を濁すぐらいです、察して、あたしだってあんまりマイナスなこと書きたくないけど自分で一日一冊縛りしてしまったんだよ。

いや、ゲームをやってればまた違う視点で見られるのかな……?

あとあんまり読みやすいとは言えない部類の描写が多い気もします。

ネタバレはしたくないんだけど、めちゃくちゃおすすめとはちょっと言いづらかったかな。

そういう日もありますよね。

人都でした。


2020年10月2日金曜日

02、拡張現実的

こんばんは、人都です。

今日は川田十夢さんの拡張現実的というエッセイ集を読みました。

拡張現実的 (Bros.books) 川田 十夢 https://www.amazon.co.jp/dp/4065193869/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_l5ZDFbJNEHYFY

この本を購入したのはブログにて前述した東京都現代美術館での特別展「おさなごころを、きみに」の物販で、それは完全な衝動買いでした。

著者である川田十夢さんは技術を操り時に発明を行いながらチーム「AR兄弟」の長男として活動されているクリエイターの方です。

特別展では映像展示をメインとし、スマホをかざすと絵柄が動き出すTシャツや街を歩き回りながらゲームの「デスストランディング」のように路地をリアルタイムでスキャニングする開発の紹介、また映像を観覧者の手で止めると画面を介さない現実まで停止するといった展示を行っていました。

拡張現実とはそんな、デバイスをかざすと絵がうごめきだすような、仮想世界が現実に侵食していくような総称してよく「AR」と呼ばれるもので、著者はその技術を中心とした活動を行っています。

http://ar3.jp/information/

表紙の「拡張現実的」というタイトルにはつるりとした特殊な装丁が施されています。

このエッセイ集は震災からコロナ禍直前まで九年間もの間テレビ雑誌にて連載されていた著者の短文が掲載されたもので、それらの内容の多くは一片の時勢や経験を有している他のメディア知識や想像力を駆使し拡張的に試行していくといったものです。

リアルから妄想を拡張し、実際にそれらの一瞬の荒唐無稽を現実に実現しているのが著者の作風です。

そしてそれは書籍、ゲーム、テレビ、ネットメディア……あらゆる表現の媒体を話題としています。

一つ一つの文章こそは短いですが、その中に含まれた前提知識と発想のとがり、独特の文章の運び方はなかなかのボリュームです。

なんなら突然実験的に語数縛りや小説仕立ての文章も挟まれる、予測不可能な271ページ。

理系も文系も、国語も理科も道徳もすべてをごったまぜにして時折意地悪ではないかと思う程総合的に多角からの思考実験にも似た妄想が繰り広げられます。

大衆的な表現の健全が本来の姿と異なっていたとしてもそれは健全に直され守るべきか、荒唐無稽な法令が制定されたとき動揺はひと時の波として時流に呑まれただ流されるのみなのか。

電車の窓に駆け抜ける忍者を見出すよりももっと大きくそして手触りに近いアナログで最適化されていない妄想を拡張現実と独特の文章センスを介して出力する異才。

「メロスの気持ちを答えよ」という問題に水滴を垂らし回答するといった文章内のエピソードからも感じられるほどそれは型破りで非常識的で、読むほどに読者の予測を現実の経験談で裏切っていきます。

現実の更なるその先を、技術と知識と果てしない創造力で切り開く方の思考をひとかけら目にしてみませんか?

この川田十夢さんはTwitter上でも多くのリアルタイムな発信をしていますから、追ってみると平凡な現実を広げるための一助になり得るかもしれません。



おすすめです。

人都トトでした。


2020年10月1日木曜日

01、ヘルタースケルター

 寝ていなければ二回行動カウントの人都です。

漫画のヘルタースケルターの話をします。

ヘルタースケルター (Feelコミックス) 岡崎 京子 https://www.amazon.co.jp/dp/4396762976/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_9IFDFbBX6WGPK

表紙からして胸、乳首、裸体という生まれたままのグロテスクな美とアナログの不安定な怪しさが手に取るだけで何もやましくなんてないのに背徳感を感じさせるような。

あんまりお昼に読みたい本ではないですよね、内容は一人の女性のショッキングな暴露本にも似ています。

画像の帯にもある通り、私はこの作品のことを何となく実写化された番宣で見た鮮烈な色と幼いながらに感じたスケベな男女の映画、そして沢尻エリカ、とにかく沢尻エリカという印象だけは覚えていました。

調べたらアマプラで配信してるみたいだったから見てみようかな……。

最近のイメージの中で鮮烈な色づかいの映画と言えばDINERの実写映画が思い浮かびますが、結局見ないまま終わってしまいましたね。


主人公は誰もが憧れ振り向き噂する魔性の女優・りりこ。

恋人は御曹司、国民はみんな虜、マネージャーはまるで奴隷。

テレビやメディアで見ない日はない、魅惑と謎を湛えた歩くセンシティブみたいな危うい女性です。

この漫画は後から調べたところ1995年からおよそ一年連載されていたそうで、連載終了後に作者の岡崎京子さんは交通事故により一時は命も危ぶまれた状態となったとWikipediaは言っていました。

1995年は私が生まれるよりも当然前の時代の話になります。

ですから、このヘルタースケルターの世界にはメディアとしてインターネットの絡むようなものはほとんど無く、しかしそのためもあってかタレントという世界と一般人の世界は遮断され神秘のヴェールのようなものが現存していました。

もし誰もが発信者になれるような世界では、「りりこ」は成立し得たでしょうか。

人を構成している作りもの、つぎはぎ、長期入院、つじつまの合わない思考回路とそれらをごまかす薬物と刹那的な快楽。

りりこを形成していたものはその90年代のヴェールの中に潜んだ部品たちでした。

部品たちの集まったものの名前がりりこなのか、そう言っても良いほどに彼女はすべてに勝る肉体を持ちながらも、肉体を失えば何も残らないという表裏一体の爆弾を抱えたうっかり自我のある人形です。

装いやガワが美しくとも、自我にはどうやったって不安が残ります。

人気が上がれば活躍の舞台は増えるでしょうが、自我がこぼれ出てしまうような歌唱や芸人が如何にオモシロとあげ足を見出すかで競うかのようなアドリブバラエティー、台本とインタビュアーと民衆の一番言ってほしい言葉を探りながら発言を選ぶ質問コンテンツはりりこのスケジュールの中でちくちくと意識を乱します。

みんなが好きなのは美しい、肌のきれいな、作られた笑顔の光る商品としての彼女であって、包帯と投薬、虫の這いまわるような幻覚と破壊衝動に苛まれた「中の人」は誰も要りません、売りません、使いません。

恋人ですらも望んでいるものは商品として、マウンティングかステータスとしての満足感が近いでしょう、性は愛ではない。

日本、いや世界最高級の客寄せパンダ専用モンスター。

誰よりもりりこは一番そのことを理解していましたし、その現状を時と共に崩落する美貌よりも醜いずっと自分より不幸せな人間の堕落を鑑賞する事でごまかそうともしていたような気がしてなりません。

自分よりも不幸な奴を見ていると精神的な不安は一時的に緩和されます。

何か考えることが無いと、不安が襲ってきていつか自分を殺すような。

あまりに高次な三次元の存在を、二次元のように扱ったことはありませんか?

私には身に覚えがありますし、「○○くんは××しそう」と考えるときそれは一種のこうあればいいという理想の押し付けであり、そこで見ているものはほとんどが見た目です、たまに自分でも嫌になるぐらい。

現代であれば良くも悪くも芸能人は近い存在になったと言えるでしょうし、本当に芸や才のある人間であれば勝手にSNSなり動画コンテンツなりで人々の支持を集め、言葉通りの「タレント」になることの出来る世界です。

羨望と共感が入り混じったタイムラインは誰もが発信者になることが可能ですね。

この作品の世界の中でりりこという存在を浮世から転落させたのは誰のどのような行いでしたか?


私はまぁ、タレント側の存在ではないのでこの本を読み終えて八割を占める感想は「みじめ」という感情です。

ですがそれはりりこがこの世界に存在しないから言えた話です、きっと彼女の末路の先の世界では追悼企画としてバラエティーは彼女の登場回を再放送しますし、ドラマの特集も組まれ、なんならミステリー系オモシロ映像番組は彼女の末路を再現ドラマの定番にするかもしれません。

学校に行けば彼女の直近の出演番組をすぐに思い出せなくても、適当にかなしんで「もったいないねー」とか話題にするでしょう、そういうことに覚えがあります。

美しく幕を閉じた著名人は仏のように扱われますが、同時に空気のような概念のような、そんな誰の記憶にもいて誰の思い出の中にもいないイメージになるような。

時勢的にもSNSに乗せたら怒られそうで極端で破滅的な私の思想でいうのもおかしな話ですが、そんな考えの煙がヘルタースケルターには付いて離れることがありません。

いつまでも美しいまま、口の無い失踪者は永遠に誰かの心で消費され続けます。

口では誰もが帰ってきてといっても、帰ってこない方が絶対に美しい終わり方はあります。

それが例え「美しいものが没落している様子は最高の快感」みたいな思想に依っていたとしても、その欲はりりこを必要としていることには変わりありません。

でもそれはりりこのいない世界から見れば、客観的かつ何の感情移入もないまま良くも悪くも一冊にさらっと納められたヒステリックすぎてこちらに何のしこりも残さない他人事です。

三次元を好きになるときはだいたい共有した時間とか作品とかぽろっとこぼれるおちゃめさで好きになるようなものですから、誰も知らない世界の中の熱狂的なタレントの没落劇は低俗な週刊誌で根拠の危ういすっぱ抜きを読む程度の感情しかありません。

「ヘルタースケルター」はそんな漫画でした。とてもおすすめです。


人都でした。


秋とイベントに参加するお知らせ

 

九月終わったってマジ?

人都です。

十月になっちゃうじゃん、ハロウィンきちゃうし古本祭りは中止じゃん。

夏めっちゃバイト頑張って予算積んだのに!

まあリングフィットアドベンチャー衝動買いと妹と弟の誕生日プレゼントを奮発したらそんなに手元に今ないんですけど。

弟の誕生日プレゼント、インターネットな人のCDでもあげようかと思ったのにことごとく周辺CD店舗がつぶれてたりヒットソングしか置かなくなってたりで挫折して乙一の短編とベイビーファザーステップを贈りました。


さて、本当ならばこのブログ記事は昨日に上げる予定でした。

何で上がらなかったかというと、酒に完全敗北してベットに轟沈していたせいです。

そのせいでFUNBOXも上げられませんでした、バカがよ!

普通に大学は始まってるので今年は都民の日の有効活用もできなかったよ。

そんな感じですが、秋の文字打ち強化月間として今日から一冊ずつ読んだ本についてブログ記事を書いていこうと思います。

今日も酒で潰れてたら笑っていいよ……。

9%の酒で悪酔いするのが止められない感じになってきてるんだよ。

ということで今日はこの記事の後にもう一つ記事を書く予定です。


あとですね、もう一つ。

今月末の10月31日、オンラインイベントサイト「pictSQUARE」にて開催されます、「みんなの魔法少女展〜まじかるちゃーオンラインという一時創作専門のオンリーイベントに申し込みをしました!

https://pictsquare.net/zwubyj9n7lfkku9ozqt5m3253ql6mn7b

魔法少女オンリーイベントとか天国と違いますか!!

予定としましては、いつもアナログイラスト枠で定期的にTwitterに投げている食べ物魔法少女の今まで考えていたストーリーを物語に起こした漫画をダウンロード冊子として売れたらなと思ってます。

実際の本も作りたい気持ちはあるんだけど、オンラインかつ一次創作だと誰が買ってくれるんだよみたいなとこあるからとりあえず電子版を想定中です。

FUNBOXに掲載していたキャラデザ設定とかもまとめる予定ですね。

あとはBOOTHの機能使ってグッズ作ろうかな……って感じです。

メタると次の給料日に入る金額による。

原稿作業中はやっぱりこれ!


あー……今日は大学の講義が終わった後に身内のいない時間に歌の練習してたけどゲロもゲロでした、でも歌わなきゃ上手くならないんだもんよ……。

一般人、何を目指してるんだろう、ビオトープの資格撮ろうとしてる方が本業の学業だよ。

じゃあ人都でした。


2020年9月28日月曜日

ブログ(これブログ?)

 






これブログか?
とりあえずやろうと思えばバーチャルっぽいことが出来る状況になりました。
たまに文字打つのがめんどくさい時に使うかもね!
人都でした。

2022/2/6

  こんばんは、人都です。 お久しぶりの更新ですが、またあまり快いことを書かないことを許してください。 本当にこの場所が肥溜めのようになっていることを案じてこそいますけれど、本来は絵よりも文のほうが気楽な私には重い悩みは絵にぶつけるよりも書き出す方が安眠剤になるのです。 私の親が...