2020年12月15日火曜日

「わがままファッション」はおわらない

 

こんにちは、人都です。

DSのゲームをレトロゲームという事は憚られますが、実際無印やlightあたりのゲームは私にとっては知る限りの大昔です。

わがままファッション ガールズモード 任天堂 https://www.amazon.co.jp/dp/B001F7BOXY/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_J8g2FbHR1PFJG

今でこそamazonを見れば大したことのない値段ではありますが、小学生の子供にとって今欲しいゲームの選択は重大なものですよね。

このガールズモードは、簡単に言えば着せ替えゲームとパズルのような要素が組み合わさったファッションショップをゆるく疑似経営するシュミレーションゲームです。

服屋にやってきた様々なファッション趣向を持つ女性たちの好むブランドや要素を見極めながら、希望のアイテムやトータルコーディネートを提供し、時にコーディネートコンテストに出場して店の評価を上げ、雑誌取材を呼び込んだりする。

慣れてしまえばどんな女性がどんなブランドを好むのかは容姿で分かるようになります。

ギャル系なら大体AZ♡USA、見るからに高そうな生地の女はCh、ゴスロリ系はRavenCandleでゴスっぽいけどロックで治安が悪かったらたぶんJack-tar。

簡単に言ってしまえば、見た目で分かるブランドを客に提示すればまあ間違いなく売れるようになるゲームです。

ヤバい色の服を着ている人にはLovitsを出せば売れるし、バケツ塗りみたいなトーンの女の子にはplainclothを渡せば、まあ売れるのです。

ただし、ここでやんわりとした葛藤が生まれます。


ひとつのブランドでそろえると、まず七割ぐらいの割合でクッソダサくなるのです。

この女は身に着けている服のブランドから派手好きサイケのLovitsを脳死で全部乗せすれば、まあ確かに買っていくでしょう。

一応この女はレトロブランドのカプセルドロップも好むのですが、それはプレイヤー経験値の話なのでちょっと置いておきます。

ですがこのゲームにファッションセンスや可愛さやおしゃれさを求めている側からすればここで若干の葛藤が生まれます。

ゲームとはいえ、このクソダサの塊を女に買わせるのってどうなんだ…?


仮にLovitsを全部乗せすればこんなコーディネートが作れます。
もう店辞めろ!

このゲームの目的はストーリーを過ぎてしまえばアイテムやコンテストのやりこみ以外には特に存在しません。

そもそも本当に金を稼ぐだけならハイブランドの代名詞であるChに完全に舵を切って、金を落とすオフィスレディにだけリソースを割いていけばいいのです。

サイケなアイテムをいかに落ち着かせて、客の理解の喉を過ぎられるように他のブランドアイテムを自分のセンスで混ぜ込んでいくか。

まず柄に柄を合わせるのは個人的には落ち着けません、あとヒールに靴下は限界すぎるけど寒いシーズンだからできれば生足はちょっと嫌だね…。

(一応季節の概念があり、寒い時に半袖を出すと拒否されたりします)

じゃあ靴と靴下を止めて靴下とスニーカーが一体化したAZ♡UZAの派手な履物に取り換えましょう。

Gジャンにバルーンスカートもちょっと気になるのでTERSEの紫色のチェックの入った七分パンツに取り換えます。

この女の人は紫のフレーム眼鏡に紫のTシャツ、靴にも紫の装飾を付けていますから、たぶん紫なら許される!



Lovits成分を半分に抑えつつ、無難にまとめました。

自信はありませんが(そもそもサイケは苦手中の苦手)自分ではまあ許せる感じになりました。

お客様にコーディネートを見せてみましょう。


知ってた。

二個違うブランドを混ぜるとすぐに飲み込んでくれません、君どうしてうちのゴシックロイヤルな店に来てるの?


仕方が無いのでバルーンスカートを入れてブランドで暴力を働きます。

正直嫌なのですが、遠目から見れば緑なので許せる気がします。

当店には今サイケブランドの靴もズボンもまともに在庫が無いのです。

というかマメにやってないから在庫の半分ぐらい夏物のハンデ。

よく見たらジャケットからTシャツが見えてるのかなり嫌!

後で商品の仕入れの予定を立てながら再びお客様にコーディネートを提案します。


お前ブランド感知BOTか?

無事にお客様は満足して購入し、帰宅されました。


私におしゃれは分からん…。


このゲームは如何に客の好みを満たしながら、自分のセンスで気持ち悪くないものを作り上げるかという遊びの要素を持つものだと思います。

変なところで現実味を感じますよね、客に求められたありあわせの百点が自分の感性にないものだった時のぼんやりした気持ち。

でも、だからこそこのゲームは飽きません。

システム的な正解パターンが分かっているうえで如何に限られた購入枠の中で服デッキ(在庫)をそろえて最善の折衷案であらゆるお客様にコーディネートを作成するか。

お客様のパターンはありえないほど多く、何年もプレイしている私でも先日新しいお客様に遭遇できたぐらいランダム性と趣向が多様なゲームでもあります。

そのくせ隠れ好感度でもあるのか、そのうちのお客様のいくつかは主人公を季節のイベントに誘おうともしてきます。

嫌いになれないんだよなあ、かわいい女の子が好きだから。



最近、ターン性のデッキビルド系ローグライクゲームにドはまりしているのですが、意外にもその原点はこのどこにでもありそうなくせに奥が深い着せ替えゲームにあったのかもしれません。

そういったある種の戦略と美学が混じったゲームには、ガチャと萌えが無くてビジュアルがやぼったくてもとにかくゲーム性が良ければ何時間でものめりこんでしまいます。

自分で考えた案が一発で通る感覚は、ゲームであっても現実であっても最高のクスリですよね。

ガールズモードのシリーズはこの作品の後にもいくつか続編を出していますが、そのいずれも私はプレイしていません。

自費でゲームを買うならまずポケモンって感じになっちゃいましたからね。

それにあまりにもこの初代ガールズモードが完成されすぎていて、次なる展開や進歩を求めなかったのもあると思います。

それは実はガールズモードに求めていたものが、ナウでおしゃれなトレンドの着せ替えではなく独特な客とプレイヤーの美学折衷ゲーだったから、かもしれません。


ちなみにラナンキュラスの商品はマジで全然集まってません。
あのゲームのやりこみ要素どうかしてるよ。

人都トトでした。


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