こんにちは、人都です。
今日のニュースでAIと融合した科学者の話が流れてきました。
いよいよ星新一のような話で、中身を読んでみると体が一切動かないままに操作権を失った意識だけが体に取り残された科学者が自らに適切な機械化処置を施し、声や表情のようなデータをありったけ保存してコミュニケーションや生きる術を模索し病気の進行に抗おうとするという経緯で。
本当にSFのような話です、人類で誰もしてこなかった実験を自らそんなに希望を讃えて進化だなんて形容するのですから。
私は別に天才だとか成功者とかではないから彼の思考回路などちいともわからないでしょうが、単純にロマンを超えて怖いのだけれど、生きながら死ぬか一八の実験資材になるかなら後者を選ぶようなものなのか。
この人はフィクションではないのでこの地球の中で実際に存在して、本気でそういう人がいるというのはなんだか奇妙な気分です。
たまに思うことがあります、「創作物という中で語られるバーチャルや異世界は、本当にその規定世界と何の違いがあるというのか」と。
世間には異世界転生物が流行りますし、バーチャルという言葉が就活してるときのAIぐらいのペースで便利に使われて、デスゲームすら作中のデータ上の物語になる時代です。
だけれども、閲覧者さんにそういうものを好む人がいたら申し訳ないですが、そういう設定の時に私はまず「で?」という気持ちになってしまう。
作品は全て私たちにとってフィクションで、ノンフィクションすら他人事のフィクションに思える世界で、物語に没入しながらもどこかでしっかり「こことは違う世界の存在しない話」という事を理解できている。
だからこそ作中でその通常の世界と違う世界が出されたときにどう適応していいかわからないのですね、いわゆるその規定現実と平行な裏世界とか魔界とかいわれると理解できるけど冒頭で突然死なれたり終盤で突然データでしたとか言われると、理解より先に引っかかるものがある。
現実でのインターネットやメタバースそしてバーチャルというのは、良くも悪くも現実があってこそのコントラストで成り立つ世界です。
現実で辛かったからこそもう一つの世界に惹きつけられたり、出会うはずのなかった電波のいたずらでリアルの友人が一人増えていたりする、VRCにほぼフルダイブ偏在している猛者がいることも知ってはいますがそれはちょっと私たちの見ている世界とはまた違うような気がする。
バーチャルのおかげで現実の大切さに気付き、現実のおかげでバーチャルの尊さに気づくのは矛盾していない相互作用です。
肉に魂と自尊心を湛えたリアル実名匿名希望存在私がキーボードを叩くことで、バーチャル…存在しない人格存在として「人都トト」は存在します。
さてフィクションでの「架空世界」にこれほどの厚みを持たせることは果たして可能なのか。
もしそういうSFや小説を知っていたらぜひ私に教えてください。
どんな未来的世界観にも都合の良い、法も憲法も実は肉体的な命すら存在しない世界ではない、創作上の架空はクリーンなようで欲望ネオンと自尊心アルコールに満ちたこの私たちの言葉により編まれる地獄みたいな情報の世界が現実と絡み合ってこそ、メタバースは生まれ得ると思っています。
ぶっちゃけ聞きますけどカタルシスとクソデカ人間関係渦巻くデスゲームの最後にぜーんぶデータだったって言われるの、嫌ですよね?そういう使い方、好きじゃないです。
この世は肉と液体と憎怨と問題が渦巻くからこそ、無鉄砲野郎が輝いて私を恐怖に陥れてくれます。
フィクションさえも現実から逃げ始めたら、困っちゃいますね!
創作物に逃げ場なんて作らせないでください、あらゆる終わりの苦しみをその生身の世界で受け取ってそれを死にきれないままに考え行動し続ける続ける、そういう物語が好きです。
もっと言うとそれが妻子を殺された中年男性なら尚のこと私が好きです。
おやすみなさい。
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