2021年5月2日日曜日

2021/5/2

 

こんばんは、人都です。
自宅にはニンテンドースイッチが一台あり、家族ぐるみでどうぶつの森をしているのですが、妹が飽き、弟も飽きて私も飽きた後ですら母親はずっと熱を冷まさずに区画整理に励んでいます。

今日は自分の仕事をしている間に何となく浮かんだ話を書き出します。
仕事というか私に関して言えばアルバイトの話で、それも三年間それなりにハードだけれど退職関係の書類を書くのが面倒すぎるというだけでランチと繁忙期を中心にずっと調理をしまくる。
調理と言っても大型チェーン店のうちの一つですから、仕入れも管理も調理法も全てスマートなマニュアル化がされていて、いわゆる料理下手かどうかや器用・不器用といった要素はほとんど関係のない「手作り」の実績をその食べ物に通過させるための工場制手工業のようなものです。
揚げ物でも肉でも何でも、いわゆるタイミングを計るという勘が混じりそうな部分は全部機械がなんとかしてくれる。
それは恐らく店舗間での大きな味の乖離や物量の優劣を減らし、また働く人がバイト駆け出しの高校生から見ているこちらが不安になるほどお年を召したご年配まで多くの人にとって理解を容易くするためで、メニューの量はともかくとしてやることさえ覚えたらあとはほとんどタイムアタックかマルチタスクのバトルになっていくのみです。
材料とアドバイザーな先輩すらいればたとえ初見でも老若男女誰にでも作れる料理なはずでしょう。
そんな料理を本当に誇張なしで毎秒のように完成させて、注文から一分以内に接客専門のスタッフに渡して、渡して、渡して。
ですが、正直な事を言ってしまうと私はそれらのメニューにほとんど口を付けたことが無く味も知らない。
もちろん全く食っていないというわけではなく、季節のおすすめ商品や社割の効く最安値の物はそれなりに繰り返して食べてはいます。
だけれど入店して三年経った今でも全部の商品を食べたわけではないのですね。

どちらかといえば私は安定よりも冒険的趣向であることを自称しても間違いではないとは思います。
コンビニで新商品が出ればとりあえず買います。
スーパーの売れ残りに変なものがあれば進んで手に取って昼食にして、ぶつくさと批評めいた言いがかりを付けて楽しみます。
正直なところそういった自分から進んで踏みに行く罠には大した期待もしませんしその分はずれを掴まされても根に持つような悪口は言いません。
そのはずなのにどうしてか、働き先のレギュラーメニューのようなものの味はほとんど知らない。
恐らくこの根幹にあるのはレギュラーであるという安心感、常に/しばらくは無くならないだろうから今日それを選ぶ必要はないと毎回選択をしているからと他人事のように睨んでいます。
金銭的な関係はほとんど関係ないでしょうね、だってだいたい一番かさむのは季節の品なので別にその小銭でレギュラーメニューを選べた機会なんて無限回にあったでしょうから。
それだったらとちょっとリッチであったり季節に沿った一品や、数週間後にはもう味わえない物を選んでしまう。
それを多分三年繰り返してきたのでしょう。
ソシャゲ的にいうのなら指名制の最高レア確定チケットがあった時に無意識的に恒常のキャラクターは除外して、期間限定のキャラクターをまず候補に吟味する感覚とでも言いましょうか。
多分食べ物やスイーツに関せずともこういった無意識の恒常無視行為ってやつはありがちなやつでしょう。
もっと極端にいうならば、他の人よりも一歩トレンドに映えたものであったり、ちょっと挑戦的に自分をユニークに見せる材料になりそうなものを選んでみたり、そしてみんな同じことを思ったみんなでちょっと変なものを一緒に選んでああだこうだと言い話題にするという行為がある限り、レギュラーメンバーと言うのは視界で認識はしつつもどうにも質感を感じられるほどのスポットライトは当てにくい。
スノッブ効果やバンドワゴン効果など購買意欲を煽るための賢そうな心理学の用語はありますが、そんな風に人が策を講じるほどに心血を注ぐ商品があれば、絶対にそこから漏れてしまう何かがあって。

こんなことを思ったのは別にこのブログを書いている今に始まったことではありません。
無心かつ爆速で丁寧な調理を行なっていると、あまりにタスクが多すぎて行動を行ないながらも脳の思考がゼロになってしまうことがあって、そういったときにはよく考えるんですよ。
この商品はもう見なくても作れそうな気がするのに、味は知らないなーって。

毎秒CMは流れて、キャンペーンは喧伝されて、ホームページの視界の隅では必ず何かが余計な通信料を使って広告を動かしている。
セールスマンはこんなご時世でも電話や足を運んでくる。
常に誰かが何かをおすすめするトレンドとサジェストまみれでどろどろな毎日から逃げる一つの方法は、意外といつだって買えるような、その癖に最安値ではないような呆れるほど身近な食べ物の味を知ることにヒントがあったりするかもしれませんね。
よく考えたら何となく虚しいですよね、自分の仕事の中身が人にどんな感情を与えるかも知らないでただムーディ勝山マシンをしているばかりというのは。

バイトをしている間はきっと私は社会適合者でしょうしそれなりな社会の歯車には成れているでしょう。
一応は理不尽なカスタマーややっちまった失敗も経験して、多少なりとも人間関係は構築できていてバイトにおける実績みたいなものもある程度解除して。
とにかくお金と実績の為に規定上染めない髪を無理やり束ねてはキャップにしまって作業台に立ちます。
でもあまりに気づくのが遅い気もしますが、もうちょっと自分の職務に対しても作業に際して感情をスンと失うのはなしにして、とりあえず扱っているものの味ぐらいは知っておくようにしたいですね。
食べてみて意外とまずかったら、それはそれでウケますけど。
でもレギュラーメニューってやつも大衆には受けない味でも熱狂的にリピートする細いようで熱いファンがいるからこそ、当たり前が当たり前にとどまらず席を保ち続けてるのかもしれませんしね。
ソースや真偽はともかく、サーティーワンの大納言あずきみたいにね。

まあ今は手元のお金がすっからのかんなので、多分勤務店に行ったとしたら最安値の上に社割が効くものを食べそうですがね。
生活を倹約して趣味に注ぎ込むとお財布事情はだいたいいつも世知辛いのじゃ。
それじゃあおやすみなさい。

0 件のコメント:

コメントを投稿